【日本画特講–基本編–】全8回
まずは顔料をのせる前の、画面の下地作りとなる「地塗り」。
岩絵具との接着性をさらに良くする為に行います。
ある程度、絵具をのせて背景彩色まで試みます。
受講生の下図もおおよそ出来上がってきました。
花の写生するも良し、資料を集めて描くも良し。
描きたいモチーフをどのように画面に入れるか試行錯誤しつつ、下図を作り上げていきます。
来週以降は転写していきます。
下図は、モチーフ1つだけを選択して写生し、「余白」を大事に構成します。
水干絵具と岩絵具の扱いに苦戦しつつ、背景彩色を進め、様子を見て下図を転写します。
ある程度背景の彩色を進めたら、モチーフを塗っていきます。
使用感を伝える事が難しいので、とにかく絵具をどんどん使ってもらう。
水干によっても絵具の色によっても、塗り重ねの感覚は様々で、同じ作業でも仕上がりが驚くほど差が出てきます。
地塗り、下塗りが終わると、大きな作業から小さな作業に変わる為、たくさんの絵皿になって卓上が賑やかになります。
でもいよいよモチーフ彩色とはいえ、とても気を遣う作業なので、静まり返って皆さん黙々と描いています。
最後は絵皿の膠抜きをして、次も使えるように片付けます。
講座の中ばまでみんな背景に手こずっていたものの、後半は卓上が絵皿だらけの賑やかになりつつ数名が完成。ほか、9割がた出来上がりました。
ほとんどの方が初めての日本画制作でした。
全体講評ではそれぞれの作業過程を振り返り、日本画絵の具の特性による扱いの難しさ、予期せぬトラブルなどふまえつつも、それぞれの良い制作の取り組み方や癖や性格も作品に現れて、それぞれ個性的な作品に仕上がりました。
全体的に良い出来上がりです。